意外と得するかもしれないプチ雑学

お茶の楽しみ方は人それぞれ・・・
ですが、さらにドツボにはまっていただければ幸いです。

お茶をマロヤカに淹れたいの

濃いめのお茶が好きなんだけど、苦いのはヤダ…というアナタ。
お茶の苦みのもとはタンニンという成分で、温度が高いと溶け出す性質があります。
従ってぬるめのお湯(約70℃以下)で淹れると、お茶のまろやかな甘みを味わえます。

上等のお茶ほど低い温度で淹れると、そのお茶ならではの旨みが味わえるというわけで、「湯冷まし」なる茶器もあります。でもいささかめんどくさいわという方は、ポットの熱いお湯をまず空の茶碗に注いでしばし待ち、それからお茶っ葉を入れた急須にお湯を移す方法ならいかがでしょうか。人数分の茶碗に注ぐだけでかなり温度が下がるし、茶碗も温まって一石二鳥だべ。

お茶の花

お茶の花。秋に咲きます

お茶の保存について

言っときますけど、お茶は鮮度が命ですので、封を切ったらさっさと飲み尽くしてくださいね。とはいえ保存する場合、お茶は湿気に弱いので、開封したら袋の口をしっかり閉じるか、茶筒などの密閉容器に移して冷暗所で保管してあげてください。
なお、当店のお茶は自前で袋に詰めて真空パックにしています。賞味期限は、未開封の状態で一年間です。

濃いめで出がきくお茶がスキ

お茶屋の地元の人々はお茶が大好きで、一日に何度もお茶を飲みます。雪に埋もれた冬の間、家さこもってお茶でも飲んでるしかってしょーあんめー・・っちゅうわげでもねえんだげっぢょ、「お茶飲み」が習慣として生活の中に染み込んでいるようです。さらに一度のお茶の時間に、ほっと一服・・どころかガバガバ何杯も飲むので、濃いめで出がきく(何煎も出せる)お茶がお気に入りです。そんなわけで、お茶屋のお茶もじねんと「手軽においしく、出がきくお茶」になってきました。

ところで、お茶は農作物のひとつですが、野菜のように収穫してすぐ消費できるわけではありません。大まかに言って「お茶っ葉を摘む(つまり収穫)→ 蒸す → 揉む/乾燥 → 選別 → 火入れ」というような一連の精製工程を経て、ようやく急須に入れて飲める「お茶」になります。製品としてはさらに、異なる品種や部分(葉と茎)・製法のお茶がブレンドされて、さまざまなお茶が市販されています。つまりお茶の品質には、栽培の状態だけでなく精製の技術や配合のノウハウも大きく関わってきます。

 「フカムシ」って何だべ

製茶工程のうちお茶っ葉を「蒸す」段階で、長めに蒸して作ったお茶を「深蒸し茶」といいます。深蒸し茶で淹れたお茶は鮮やかな緑色で、香りは少なめですが濃い味わいがあり、より短い時間で抽出されるという特徴があります。一方、従来の浅めに蒸したお茶には、爽やかな味わいと香り・お茶らしい渋みがあります。お茶屋では「手軽においしく、出がきくお茶」にするにはなじょすんべっちゅうわげで、従来のお茶に深蒸し茶を多めに配合するようになりました。

 深蒸し茶のディープなインパクト

当方のような田舎のみならず(?)都市部の忙しい方にも、深蒸し茶なら手軽にお茶のおいしさを楽しんでもらえると思います。お茶屋は最近になって気づいたのですが、都会に住む友人や若い世代の知人にも意外なほどお茶好きがたくさんいらっしゃるのですよ。ペットボトル入りのお茶ドリンクが普及している今日、お茶好きの方にこそ急須で出すお茶をより身近に感じてもらって、しあわせなお茶ライフを満喫してほしいものです。その助けになるかもしれない深蒸し茶ですが、全国的にもだいぶ普及してきたようで、それこそさらっとしたお茶ドリンクに対して「せっかく急須で出すならより濃い味わいが欲しいのよネ」ということかもしれません。

一服より二福、三福?も至福??

人のお宅でお茶を一杯ごちそうになってそそくさとおいとましようとすると、「なんだべま、たった一服で帰るなんてあるんでねー!!」と怒られて、二服も三服も飲んじゃってお腹がタポンタポンになることがよくあります。この地域特有の言い回しらしいのですが、「いっぷく」ではなく「にふく」飲めば、音にひっかけて「福」がつくので縁起がいいというわけです。さらに「みふく」「しふく」と飲ませて、来客を引き止める口実なのかもしれませんね。

ちなみに一煎目を出したら、急須の蓋を開けておくと二煎目以降も、んまいお茶が飲める・・・と、お茶屋は地元のお客に教わりました。蓋を閉じたままにしておくと、熱や蒸気がこもってお茶っ葉が開いてしまい、件のお客いわく「茹だったよーになっちまう」というわけです。たしかに蓋を開けて熱を逃がして、さらに急須を掌でポンポン叩いてお茶っ葉が残り湯に浸らないようにしてあげれば、なるほど二服も三服もおいしく飲めますネ。ああしあわせ。お茶好きのお客に教えられること多し、でやす。

「番茶」= ほうじ茶?

ほうじ茶は緑茶を焙じて(=火にかけて炒る)できる、独特の香ばしさのあるお茶です。胃にやさしく、脂っこい食事のお伴にもおすすめです。ところでお茶屋には時折、「番茶くんつぇー」と言いつつ、ほうじ茶を買っていくお客さんがいらっしゃいます。?はて、「番茶」って「ほうじ茶」のことなんだべか?

お茶は、同じお茶の木でも先に芽吹いた葉がより柔らかく、旨味を多く含みます。最初に出た葉を摘んだのが「一番茶」で、最も上等とされます。従って新茶の時季は、値段の高いお茶から先に出回ります。葉を摘むとそこからまたぴょこぴょこ芽吹いてくるので、順次これを摘んだものが二番茶・三番茶となり、値段も下がってきます。こうして遅く収穫された葉や、選別の過程で分けられた硬い葉や茎などから作られた、比較的値段の安い緑茶のことを総じて「番茶」と呼びます。さまざまな番茶も緑茶としてそれぞれ独特の風味を持つのですが、ほうじ茶の原料にもなります。つまり、ほうじ茶は番茶から作られるため、番茶とほうじ茶は混同されることがあるのですね。

ご家庭で「水出し冷茶」を

暑い夏は冷茶なぞいかがでしょうか。水でゆっくり抽出するので苦みが出ず、誰でも手軽に甘くてまろやかな冷茶が楽しめます。容器は市販されている茶漉し付きのガラス製ポットが最適です。半日かけてじわじわ抽出するのがポイントなので、明日飲むつもりで今夜作っとく、というタイミングならバッチリよ。

 ① 容器にお茶っ葉を好きなだけ入れる。
 ② 水を入れる(お湯ではありません)
 ③ 冷蔵庫に入れて、5〜6時間ほっておく(じねんと滲み出る)。
 ④ 飲みたいとき、涼やかにぐびぐび飲む。

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